2018/9/6 北海道が"消えた日"「平成30年北海道胆振東部地震」

 

2018年9月6日 午前3時8分

札幌市東区にある我が家は、かつて経験した事が無い激しい揺れに見舞われます。

いきなり襲ってきた突き上げるような衝撃

ベッドから放り出されそうになる程の峻烈な横揺れ

迫りくる恐怖に対して、ただじっと耐える事しか出来ない無力感

実際に揺れていた時間は、30秒程度だったそうですが、あまりの恐ろしさから、もっともっと永かったように感じました。

 

揺れが治まってから、寝室を出て階段を降り、1階のリビングへ

トイレや浴室、キッチンまで一通り見て周ります。

食器棚や冷蔵庫などの転倒は免れており、精々システムキッチンの収納部が飛び出していた程度

「あの揺れ方」から考えると奇跡的です。

 

直ぐにNHKのニュースを確認

震源地付近は震度6の速報

我が札幌市東区は震度発表がありませんが、直ぐ隣りの北区が震度5強

恐らく我が家も「5強」の揺れだったんだと思っていましたが、計測値が出ていなかった我が東区の震度が翌日になって発表され…

まさかの震度6弱…唖然…

 

 

地震直後に話を戻します。

家自体と設備類に大きな損傷が無い事を確認して、ようやく落ち着きを取り戻して、居間のソファでNHKのニュース速報の続きを見ていた頃、「それ」は唐突にやって来ました。

 

地震発生から20~30分後、一部の離島を除く、ほぼ全道の295万世帯への電力の供給が停止されました。

 

ブラックアウト

 

正しくこの瞬間、北海道全体が"消えて"しまいました。

 

この時点では、この停電が我が家にとって一昼夜にも及ぶ事も、北海道全体が”消えて”しまっていた事も知る由もありません。

我が家に大きな被害が無かった事で、それほど重大事だとは思っていなかったのです。

かといって余震の恐怖を消し去って、もう一度眠れるほど肝が据わっている訳でもなく、結局近所の様子を見に行く事に

 

自宅から100メートルの所にあるコンビニ

確か4時少し前だったと思います。

 

24時間営業のお店ですが、やはり停電しているようで真っ暗な中、車が何台か集まっていました。

 

コンビニがある交差点の信号機も消えています。

 

一旦家に帰って、冷蔵庫の食材と保冷剤をクーラーボックスに移したり、断水に備えて嫁が風呂やバケツに水を溜めているうちに、段々と夜明けが近づいてきます。

一通りの作業を終えて、新しい情報を得たいと思いましたが、電源不用のラジオが有りません。

仕事用の会社支給スマートフォンは、ワンセグテレビを見られる事を思い出して、NHKのニュース速報に合わせます。

 

震源胆振地方である事

マグニチュードが推定6.7である事

安平町で少なくとも数件の家屋の倒壊が認められる事

 

断片的な情報を頭の中で紡ぎ合せていくうちに、甚大な災害である事を認識し出します。

 

そして、もう一度コンビニへ

 

外は白々と夜明けを向かえつつあります。

 

そしてコンビ二には、先ほどよりも多くの客と車が集まっています。

店内を覗いた所、どうやら手作業で会計を行なっている様子

 

その後、家でも会社でも電気の無い事がいかに不便かを痛感しながら時間は過ぎ… 

 

結局、電力が復旧したのは、翌日の17時半過ぎ、地震発生から38時間以上が経過していました。

 

 

停電中の生活を今後の対策としてまとめておくと…

 

食事

プロパンガス供給でのガスコンロを使って、炊飯や調理は問題なし

やはり災害に強いのは、圧倒的にプロパンガス

オール電化住宅の知り合いは、こぞって参っていました。

停電状態ではIHコンロは使用不能です。お湯すら沸かせない。

カセットガスコンロも有用ですが、ボンベの残量が少ないと短時間で使えなくなります。

 

食料

米の備蓄は常時、相当量有り 

野菜類もある程度は在庫有り

農家の親戚と農業王国北海道に感謝!

缶詰などの長期保存食が少なかったことが要改善点

 

飲料水

ウォーターサーバーの水が約30リットル有り

ただし、運悪く追加注文間際であれば、もっと残量は少ない場合有り

 

トイレ

温水式洗浄便座なので、バケツの水を放り込んで汚物を流しました。

ですが、もしも断水と停電が同時発生だったら、流せなかったという事なので…

そう考えると非常用簡易トイレが不可欠です。

 

非常用備品

充電式ラジオが無かったのが反省点 

モバイルバッテリーも充電を怠っていたので、無用の長物状態

常に満充電にしなくてはいけません。

電池式のランタンや懐中電灯類は、多数所持しているので問題なし

ただし電池の在庫が少なかった事が今後の教訓

 

 

たったの一昼夜、電気が止まっただけで、ぐったりと疲れました。

阪神淡路や東日本大地震で被災された方々には、申し訳ない気持ちで一杯です。

 

思うに道産子というか特に札幌人は、災害に対する備えや抵抗力が低いと感じられます。(もちろん私も)

 

台風は滅多に来ないし、大きな地震もそれほど多く無かったのが理由かもしれません。

その代わり、冬の厳しい寒さや雪には滅法強く、1年の約半分をそれらから耐えて暮らすので、それ以外の自然災害に対しては、「どうせ大丈夫だべ?」と根拠も無く楽観的になったり、「冬に頑張ってる分、夏場は何も起きないはず!」と都合良く思いたくなるのでしょうか?

 

そんな中、台風21号がほぼ直撃、そして翌日の今回の大地震

 

日本中の何処ででも巨大災害は起こり得る、という事を再認識させられました。

 

最後になりましたが、今回の地震でお亡くなりになれた方々には、心よりお悔やみを申し上げます。

また、被害に遭われた方々におかれましても、心よりお見舞いを申し上げます。